建設業許可の取得を目指す事業者様に向けて、許可取得の最大の難所である「専任技術者(営業所技術者)」の要件を千葉県松戸市の行政書士が徹底解説。国家資格や指定学科卒業の場合の要件や、一番の関門である過去の契約書・通帳を用いた実務経験の証明方法、さらに現場兼務の最新ルールまでが分かります。この記事を読むことで、要件漏れを防ぎ、スムーズに許可を取得して自社のビジネスを次のステージへと進めるための具体的な対策がすべて分かります。

はじめに:建設業許可を目指す皆様へ!「専任技術者」が最大の壁になる理由

「500万円以上の大きな工事を受注したい」 「元請会社から『そろそろ建設業許可を取ってくれ』と言われた」 「公共工事の入札に参加して、売上を大きく伸ばしたい」

確かな技術を持ち、地域社会のインフラや住まいを支えている建設業者様が数多くいらっしゃいます。事業が軌道に乗り、次なるステップとして「建設業許可」の取得を検討される経営者様も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ許可を申請しようと手続きを調べ始めると、多くの会社が最初にぶつかる「巨大な壁」があります。それが「専任技術者」の要件です。

建設業許可を取得するためには、各営業所にその業種の専門的な知識や経験を持った技術者を「専任(フルタイム常勤)」で配置しなければなりません。実務上、この要件をクリアできずに許可を諦めてしまうケースが非常に多いのです。

「うちの会社には国家資格を持っている人がいるから、それだけで許可は取れるだろう」 「昔からずっと現場をやってきた経験はあるけれど、書類でどうやって証明すればいいのか分からない」

そんなお悩みを抱えている経営者様も多いですが、実は建設業許可の専任技術者要件は、実務上の運用や基準の確認が非常に厳格化されています。たとえ学校の指定学科を卒業していたとしても、一律で「一定期間の実務経験」をセットで証明することが求められるルールとなっています。

つまり、「資格の賞状を出すだけ」では専任技術者として認められないものもあり、過去の現場実績を書類で裏付ける作業が事業者様で必須となっているのです。

今回は、松戸市で建設業許可をはじめとする許認可申請を数多くサポートしている「行政書士 浅田響樹 事務所」が、専任技術者の基本要件から、実務で最も重要となる「実務経験の証明方法」のコツ、そして最新の法改正情報までをプロの視点から分かりやすく解説します。

そもそも「専任技術者」とは?経営業務管理責任者との違い

建設業許可を申請するにあたって、まず言葉の整理をしておきましょう。許可を取得するための2大柱となるのが「経営業務管理責任者(経管)」と「専任技術者(専技)」です。

  • 経営業務管理責任者(経管):平たく言えば「経営のプロ」です。建設業の経営者としての経験が一定期間ある人が該当します。
  • 専任技術者(専技):こちらは「施工・技術のプロ」です。現場の技術的な知識や経験を持った人が該当します。

専任技術者は、その営業所に「常勤」して、技術的な面から請負契約の適正な締結や工事の履行を管理・監督する役割を担います。

なお、令和6年12月13日施行の建設業法改正に伴い、これまで「専任技術者」と呼ばれていた名称は、法令上「営業所技術者」という名称に改められました。ただし、現在でも実務や業界内では広く「専任技術者」という言葉が使われているため、本記事では分かりやすく「専任技術者(営業所技術者)」と表記します。

専任技術者は必ずしも役員である必要はなく、要件を満たしていれば一般の従業員(正社員)でもなることができます。また、小さな会社で「社長1人しかいない」という場合であっても、社長本人が経営経験と技術要件の両方を満たしていれば、1人で経管と専任技術者を兼任することが可能です。

一般建設業許可における専任技術者の「3つのルート(要件)」

専任技術者(営業所技術者)として認められるためには、以下の3つのルートのうち、いずれか1つを完全にクリアしていなければなりません。ここでは、最も一般的な「一般建設業許可」の基準をベースに、要件を分かりやすく解説します。

ルート①:国家資格や技能検定+「3年または5年の実務経験」(実務経験扶養資格もあり)

国が指定する国家資格や技能検定に合格しているパターンです。

  • 施工管理技士(1級・2級)
  • 建築士(一級・二級)
  • 技能検定(1級・2級)等…

ここで非常に重要なのが、「資格を持っていればそれだけでOK」というわけではないという点です。 現在の審査基準では、該当する国家資格を保持している場合であっても、許可を受けたい業種に関わる「3年または5年の実務経験」を合わせて証明することが必要なことが多いです(※実務経験が不要な資格を除く)。 そのため、資格の合格証書に加えて、後述する過去の工事実績書類を数年分集める必要があります。

ルート②:指定学科を卒業+「3年または5年の実務経験」

高校や大学、高等専門学校などで、許可を受けたい業種に関連する「指定学科(建築学科、土木工学科、電気工学科など)」を卒業しているパターンです。

このルートでも、卒業後の実務経験が必須となります。学歴に応じて必要な期間が以下のように定められています。

  • 大学・高等専門学校を卒業:卒業後、3年以上の実務経験
  • 高等学校・中等教育学校を卒業:卒業後、5年以上の実務経験

「工業高校の建築科を卒業した」という学歴があっても、その後最低5年間は実際の現場で実務を積んでおり、それを書類で証明できなければ専任技術者として登録することはできません。

ルート③:資格も指定学科の学歴もない「10年以上の実務経験」

「資格もないし、学校も文系だった」という場合でも、諦める必要はありません。許可を受けたい建設業の種類に関して、通算10年以上の実務経験があれば、専任技術者(営業所技術者)として認められます。

実務経験とは、実際に現場に出て職人として工事に携わっていた期間だけでなく、現場監督としての施工管理や、設計・積算などの技術的な業務を行っていた期間も含まれます(ただし、事務作業や雑務、お茶くみなどの期間は含まれません)。

実務経験証明最大の難所:「期間分の書類」をどう集めるか?

どのルートを選ぶにしても、現在の建設業許可申請では「実務経験の証明」を避けて通ることはできません。国家資格ルートであれば3年または5年、学歴ルートでも3年または5年、そして実務経験ルートであれば10年分の実績が必要です。

審査では、口頭や独自の自己申告は一切認められません。「本当にその期間、その工事を継続して行っていたこと」を、客観的な書類で一分の隙もなく証明しなければならないのです。

証明に必要な書類は、大きく分けて以下の2つの要素に分かれます。

1. 「その期間、確かに建設会社に在籍していた(常勤していた)」ことの証明

まずは、あなたがその証明期間中、どこかの会社に所属して(または個人事業主として)フルタイムで働いていたという実態を証明します。

  • 法人の従業員として証明する場合:過去の該当期間分の「健康保険被保険者標準報酬決定通知書」や「住民税の特別徴収税額決定通知書」、または厚生年金の「被保険者記録照会回答票」など、公的な在籍証明書類が必要です。
  • 個人事業主として自身の経験を証明する場合:過去の該当期間分の「確定申告書(受付印があるもの、または電子申告の受信通知があるもの)」の控えを、1年分も漏らさずにすべて揃える必要があります。

2. 「その期間、確かに申請する業種の工事を行っていた」ことの証明

在籍の証明ができたら、次に「その期間中に、本当に許可を取りたい業種の工事をしていたか」を証明します。 原則として「1年に1件以上(あるいは工期をつなげて各月分)」の工事実績を、証明したい期間分(3年、5年、10年)連続して証明することが求められます。

具体的には、以下の書類のセットを期間分用意します。

  • 工事請負契約書の原本
  • 注文書および請書の原本
  • 請求書(工事名や内容が細かく明記されているもの)+その入金が確認できる銀行口座の通帳(履歴)

【注意】前職の経験を通算する場合のハードルの高さ

現在の会社での経験だけでは期間が足りない場合、前職の建設会社での経験を足して(通算して)計算することが可能です。 しかしその場合、前職の会社から「実務経験証明書」に実印を押してもらう必要があり、さらに当時の確定申告書や請求書、通帳のコピーなどの古い書類を借りてこなければなりません。退職した会社からそこまでの協力を得るのが難しく、通算を断念せざるを得ないケースが実務上非常に多くなっています。

専任技術者を配置する際の「2つの絶対ルール(注意点)」

専任技術者は、ただ要件を満たした人を名前だけ置いておけばいいというものではありません。以下の2つの厳格なルールを守る必要があります。

注意点①:「専任性」が求められる(他社や他資格との兼任禁止)

「専任」という言葉の通り、その営業所に常時配置されていなければなりません。そのため、以下のようなケースは「専任性がない」とみなされ、受け入れられません。

  • 住所が営業所から著しく遠く、毎日通勤することが物理的に不可能な場合
  • 他の会社の代表取締役(非常勤を除く)や、他社の常勤従業員を兼ねている場合
  • 宅地建物取引士(宅建士)の専任の取引士や、管理建築士など、他の法令で「専任」を義務付けられている資格と兼任する場合(※ただし、同一法人かつ同一の営業所内であれば兼任できる例外もあります)。

注意点②:原則として「現場の配置技術者」にはなれない

専任技術者は、営業所に常にいて請負契約の管理などを行うのが仕事です。そのため、原則として「工事現場の主任技術者や監理技術者(配置技術者)」として現場に張り付くことはできません。

「社長が専任技術者を兼ねているけれど、社長自身が毎日現場に出て現場監督をしている」という状態は、本来であればNGとなります。

【最新法改正】営業所技術者(専任技術者)の現場兼務が一部緩和へ!

技術者不足が深刻化する建設業界の現状をふまえ、この「営業所にいなければならない」というルールに、大きな変化が起きています。

令和6年12月13日施行の建設業法改正により、営業所技術者(専任技術者)が一定の条件下で「現場の主任技術者等」を兼務することが可能になりました。

緩和される具体的な条件

営業所の技術者が現場を兼ねるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 当該営業所において請負契約が締結された工事請負金額が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の1現場の兼任であること。
  2. 営業所と工事現場が近接しており、常時連絡が取れる体制があること。
  3. 所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること。
  4. 当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること。
  5. 監理技術者等と現場との間に、状況確認と意思疎通に必要な機器が整備されていること

管理技術者などこの法改正により、特に人手不足に悩む中小の建設業者様において、「専任技術者である社長が、近隣の小規模な現場の管理をどうしても兼任しなければならない」といった実態に即した柔軟な運用が可能になりました。

ただし、③の「直接的」というのは、例えば出向社員は営業所専任技術者になれるが、当該出向社員は配置技術者にはなれないことには注意が必要です。

建設業許可申請(一般・実務経験証明を伴う場合)の全体フロー

実際に実務経験の証明を伴って建設業許可を取得するまでの流れは、以下のようになります。

  1. 要件の自己チェック・専任技術者候補の選定と要件(資格・学歴・10年)の決定
  2. 証明書類(過去の該当期間分の通帳、請求書、契約書、公的在籍証明)の収集
  3. 書類の精査・期間分の時系列の整合性チェック
  4. 申請書類(実務経験証明書など)の作成
  5. 千葉県(松戸市の場合は東葛飾土木事務所など)への事前相談・内容確認
  6. 申請(申請手数料:知事許可の場合9万円)
  7. 審査(知事許可の場合、概ね1ヶ月〜2ヶ月程度)
  8. 許可通知書の交付・建設業許可業者としてビジネススタート!

書類集めから申請が受理されるまで、不慣れな方が行うと数ヶ月以上の時間がかかってしまうことも珍しくありません。特に請求書と通帳の突合(とつごう)は、1ヶ月でも書類が欠けていると「実績が繋がらない」として役所の窓口で突き返されてしまう可能性があります。

まとめ:松戸市周辺での建設業許可申請は当事務所へお任せください

建設業許可の取得、特に「実務経験」を伴う専任技術者(営業所技術者)の要件クリアは、資格の有無にかかわらず、用意すべき書類の膨大さと役所の審査の厳しさから、建設業者様にとって非常に大きな負担となります。

「手元にある資格や学歴の場合、何年の実務経験が必要なのか正確に知りたい」 「過去の書類が完全には揃っていないけれど、別の書類で代用できるかプロに見てほしい」

そんなときは、一人で悩まずにぜひ当事務所にご相談ください。

「想いを形に、確かな未来へ。」をスローガンに、松戸市やその近隣地域で活躍する建設業者様が、書類の手続きに時間を奪われることなく、安心してお仕事に専念できるよう、親身になって全力でサポートいたします。

「許可が取れるかどうかだけでもまずは知りたい」「面倒な書類集めや時系列の整理を丸ごと任せたい」という経営者様は、まずは一度「行政書士 浅田響樹 事務所」まで、お気軽にお問い合わせください。お客様の確かな未来への第一歩を、私たちがしっかりと伴走いたします。