「元請け企業から『この現場には監理技術者を置いてくれ』と言われたけれど、自社の社員で対応できるだろうか」 「指定建設業の7業種とそれ以外の22業種では、配置する技術者の資格要件がどう違うのか知りたい」

建設業を営む経営者様にとって、現場ごとにどのような資格を持った技術者を配置しなければならないかという「技術者配置のルール」は、法令遵守(コンプライアンス)の観点からも、日々の施工管理の面からも、非常に頭を悩ませるポイントではないでしょうか。

もし、配置すべき技術者の要件を満たしていない場合、建設業法違反として厳しい行政処分の対象となってしまうリスクがあります。

今回は、千葉県松戸市を拠点に建設業許可のサポートを行っている「行政書士 浅田響樹 事務所」が、工事現場に配置すべき「主任技術者」と「監理技術者」の違い、そして「指定建設業7業種」と「指定以外22業種」それぞれにおける具体的な資格要件について、分かりやすく解説します。

現場配置の基本:すべての工事に「主任技術者」または「監理技術者」が必要

建設業法では、工事の適切な施工を確保するために、元請け・下請けを問わず、工事を施工するすべての現場に必ず技術者を配置しなければならないと定めています。この技術者には、大きく分けて「主任技術者」と「監理技術者」の2種類があります。

主任技術者とは?

原則として、すべての建設工事の現場に配置しなければならない技術者です。元請けとして請け負った工事であっても、下請けに発注した金額が一定未満の場合や、自分が下請けとして入る現場には、この主任技術者を配置します。

監理技術者とは?

発注者から直接工事を請け負った「元請け企業」が、合計で5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)の工事を下請けに出す場合に、主任技術者に代えて配置しなければならない、より上位の技術者です。大規模な工事を統括するため、非常に高度な資格や経験が求められます。

指定建設業「7業種」における技術者の配置ルール

建設業法では、29ある業種のうち、特に公共性が高く、施工技術の総合性や社会的影響が大きいとされる7つの業種を「指定建設業」として定めています。

指定建設業に該当する7つの業種

  • 土木一式工事
  • 建築一式工事
  • 電気工事
  • 管工事
  • 鋼構造物工事
  • 舗装工事
  • 造園工事

指定建設業7業種における「監理技術者」の厳しい要件

指定建設業の7業種において、元請けとして大規模な工事を行い「監理技術者」を配置する場合、実務経験による資格要件の証明は認められていません。原則として、「1級の国家資格(1級施工管理技士、技術士など)」を保有していることが絶対の条件となります。

例えば、土木一式工事で下請契約の総額が5,000万円以上になる場合、現場に置く監理技術者は「1級土木施工管理技士」などの資格を持った人でなければなりません。「2級しか持っていないけれど、20年のベテランだから」という理由で監理技術者に据えることは法律上不可能です。

※なお、「主任技術者」として配置する場合であれば、指定建設業であっても、所定の学校を卒業した後の実務経験や、10年以上の実務経験、2級の国家資格などでも配置が可能です。

指定以外「22業種」における技術者の配置ルール

一方で、指定建設業に指定されていない残りの22業種(内装仕上工事、左官工事、塗装工事、とび・土工工事など)については、技術者の配置要件が少し緩和されています。

指定以外22業種における「監理技術者」の要件

指定以外の22業種では、元請けとして大規模工事を行う際の「監理技術者」であっても、実務経験による選任が認められています。具体的には、以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

  • 1級の国家資格(1級施工管理技士や、業種に応じた技能検定特級など)を保有していること
  • 主任技術者としての要件を満たした上で、元請けとして2年以上の指導監督的な実務経験(※1)を有していること

(※1)指導監督的な実務経験とは、発注者の側、または元請けの立場で、主任技術者として工事の技術面を指導・監督した経験のことを指します。

このように、指定以外の22業種であれば、国家資格を持っていなくても、長年の現場経験と指導実績をしっかりと証明できれば監理技術者として配置することが可能です。

主任技術者・監理技術者を配置する際の重要ポイント

現場に技術者を配置するにあたり、経営者様が特に注意しておくべきポイントが2つあります。

1. 「直接的かつ恒常的な雇用関係」が必要

現場に配置する技術者は、自社と直接的かつ恒常的な雇用関係(原則として3ヶ月以上の雇用関係)にある社員でなければなりません。工事の期間だけ他社から借りてきたり、在籍していない一人親方を名前だけ配置したりすることは、いわゆる「名義貸し」にあたり、非常に重い処分の対象となります。

2. 「専任」が必要な工事の金額基準に注意

請負金額が4,500万円(建築一式の場合は9,000万円)以上の重要な工事(個人住宅を除く)では、技術者はその現場に「専任」でなければならず、他の現場の技術者と兼任することができなくなります。この金額基準は令和7年2月施行で特定建設業の許可基準と共に引き上げがされています。

まとめ:複雑な技術者要件の確認や人員配置のご相談は当事務所へ

工事に配置すべき技術者のルールは、指定建設業かどうか、元請けか下請けか、そして下請けに出す金額の規模によって複雑に変化します。「この資格でこの現場の監理技術者になれるのか」「実務経験だけで証明したいが、どのような書類が必要か」など、判断に迷う経営者様は非常に多いです。

松戸市を中心とした地域の建設業者様が、コンプライアンスを守りながら安心して日々の施工に集中できるよう、技術者要件の事前診断や、建設業許可の維持・更新の手続きをトータルで伴走いたします。

技術者の配置や、それに伴う建設業許可の手続きでお悩みのことがございましたら、いつでもお気軽に「行政書士 浅田響樹 事務所」までご相談ください。

👷 現場配置の技術者ルールクイズ

【第1問】
土木一式や建築一式、電気工事などの「指定建設業7業種」において、大規模工事の「監理技術者」を配置する場合、どのような条件が必要ですか?

【第2問】
現場に配置する主任技術者や監理技術者は、自社とどのような雇用関係にある必要がありますか?

【第3問】
請負金額がいくら以上の重要な工事(個人住宅を除く)において、現場配置される技術者は「専任(他現場との兼任不可)」でなければならないでしょうか?

全問終了!お疲れ様でした。

配置すべき技術者の要件は、指定建設業かどうか、元請・下請の金額規模などによって非常に複雑に変化します。
「この資格で監理技術者になれる?」「自社の人員配置は適法?」と少しでも不安を感じたら、行政処分などのリスクを避けるためにも、ぜひプロにご相談ください!

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