千葉県松戸市で「1人で株式会社を設立したい」と考えている起業家の方に向けて、設立の手順、必要な費用、1人ならではのメリットや見落としがちな注意点を行政書士が分かりやすく解説。この記事を読むことで、法人化の手続きをスムーズにクリアし、無駄な時間やコストをかけずに新事業をスタートさせる方法がすべて分かります。

はじめに:松戸市で独立・起業をお考えの方へ!1人で株式会社は作れる?

「個人事業主として活動してきたけれど、売上が伸びてきたので法人化(法人成り)したい」

「松戸市内で新しくビジネスを始めたいけれど、仲間を募るのではなく、まずは自分1人で株式会社を立ち上げたい」

新しく自分のビジネスをスタートさせようとする際、このように「1人だけの株式会社」を検討される方は非常に多くいらっしゃいます。

ひと昔前の法律(旧商法)では、株式会社を設立するためには取締役が3人以上、監査役が1人以上、発起人が7人以上必要といった厳しい決まりがあり、1人で株式会社を作ることは不可能でした。

しかし、2006年に施行された現在の会社法では、これらの規制が大幅に緩和されています。結論から申し上げますと、現在は「株主が1人、取締役が1人(どちらも自分自身)」という、完全に自分1人だけの株式会社を簡単に設立することができます。

今回は、松戸市を拠点に起業支援や各種許認可申請の手続きをサポートしている「行政書士 浅田響樹 事務所」が、1人で株式会社を設立する具体的なステップや費用、1人法人ならではのメリット・デメリット、そして手続きでつまずかないための重要な注意点について徹底解説します

1人だけで株式会社を設立する4つの大きなメリット

仲間や共同出資者を入れず、自分1人だけで株式会社を設立することには、ビジネスを迅速かつ安全に進める上での大きな強みがあります。

メリット①:迅速な意思決定ができる

複数人で会社を経営していると、新しい事業を始めるときや、大きな買い物をするときに意見が食い違い、決断が遅れてしまうことがあります。1人株式会社であれば、株主も経営者も自分だけなので、すべての意思決定を自分の判断だけでスピーディに行うことができます。

メリット②:社内での人間関係トラブルがゼロ

共同経営者や役員同士の間での「経営方針のズレ」や「報酬(給与)の配分への不満」は、会社の倒産や解散に繋がる最も多い原因の1つです。最初から1人でスタートすれば、こうした社内の人間関係や内紛のトラブルとは無縁で、100%ビジネスに集中できます。

メリット③:社会的信用度が飛躍的に向上する

個人事業主(一人親方やフリーランス)と比べて、株式会社という「法人」にすることで、社会的な信用力は格段に上がります。

取引先によっては「個人事業主とは直接契約しない(法人限定)」というルールを設けている大手企業も少なくありません。また、銀行からビジネス用の融資を受けたり、将来的に従業員を採用したりする際にも、法人のほうが圧倒的に有利になります。

メリット④:節税の選択肢が広がる

個人事業主の場合、利益が大きくなればなるほど、最大で55%(所得税・住民税)の所得税が課される「累進課税」が適用されます。

一方で法人の場合、中小企業の法人税率は約20%〜30%前後の一定範囲に収まるため、売上や利益の規模によっては、法人化して自分に「役員報酬(給与)」を支払う形にしたほうが、所得控除を活用できて大幅な節税になるケースがあります。

1人で株式会社を設立するデメリットと維持コスト

多くのメリットがある一方で、1人ならではのデメリットや、法人化することで発生する義務についても正しく理解しておく必要があります。

デメリット①:初期費用と維持コストがかかる

個人事業主であれば、税務署に開業届を出すだけなので費用は0円ですが、株式会社を作るには最低でも約20万〜24万円の法定費用(登記にかかる税金や手数料)が必要です。

また、会社が赤字であっても、毎年必ず納めなければならない税金(法人住民税の均等割:年間最低約7万円)が発生します。

デメリット②:事務作業や税務申告が複雑になる

法人の会計は、個人事業主の確定申告(白色・青色)に比べて非常に複雑です。厳密な「複式簿記」での帳簿付けが求められ、決算書の作成も専門知識が必要になります。そのため、多くの場合は税理士に決算を依頼することになり、その分の顧問報酬などの経費がかかるようになります。

デメリット③:社会保険への加入が「絶対義務」になる

株式会社は、たとえ「社長1人しかいない会社」であっても、法律上、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が強制適用(義務)となります。

これまでは国民健康保険や国民年金だった方も、法人の社会保険に切り替える必要があります。社会保険料は会社と個人で折半して負担するため、会社側の経費負担が増える点に注意が必要です。

1人で株式会社を設立する手順:10の具体的なステップ

1人で株式会社を設立する際の大まかな流れは、以下の10のステップに進みます。

【準備編】会社の基本ルールを決める

  • ステップ1:商号(社名)を決める:会社の名前を決めます。名前に「株式会社」を前か後ろに含める必要があります。
  • ステップ2:事業目的を決める:会社がどのようなビジネスを行うかを定款に記載します。将来行う予定のあるビジネスも含めて、明確かつ具体的に記載します(※許認可が必要な業種の場合、目的に特定の文言が入っていないと許可が取れないため注意が必要です)。
  • ステップ3:本店の所在地を決める:会社の住所(オフィス)を決めます。自宅を本店にすることも可能ですが、賃貸物件の場合は規約を確認する必要があります。
  • ステップ4:資本金の額を決める:会社を始めるための元手となるお金の額を決めます。法律上は「1円」から設立可能ですが、融資の受けやすさや初期の運転資金を考慮し、100万円〜300万円程度で設定されるケースが一般的です。
  • ステップ5:会社の印鑑(実印)を作る:法務局に登録する「代表者印(丸印)」や、銀行印、角印などを作成します。

【手続き編】定款作成から登記申請まで

  • ステップ6:定款(ていかん)の作成:会社の根本規則をまとめた「定款」をパソコン等で作成します。
  • ステップ7:公証役場での「定款認証」:作成した定款が法律的に正しいものであることを、公証人に証明(認証)してもらいます。松戸市に本店を置く場合は、松戸駅近くにある「松戸公証役場」などで認証手続きを行います。
  • ステップ8:資本金の払い込み:定款の認証が終わったら、自分個人の銀行口座に、決めた資本金の金額を振り込み(または預け入れ)します。その通帳のコピーが「資本金が用意できている証拠」になります。
  • ステップ9:法務局への「設立登記申請」:すべての書類(申請書、定款、資本金の証明、就任承諾書など)を揃えて、管轄の法務局(松戸市内の会社であれば千葉地方法務局 松戸支局)へ登記申請を行います。この申請を出した日が、あなたの会社の「設立日」になります。
  • ステップ10:登記完了・各種届け出:申請から約1週間〜10日前後で登記が完了し、会社の謄本(履歴事項全部証明書)や印鑑証明書が取れるようになります。その後、税務署や年金事務所へ開業の届け出を行います。

1人株式会社の設立で「つまずきやすい」3つの注意点

1人で手続きを進めるからこそ、誰もチェックしてくれず、後から重大なミスに気づくケースがあります。特に以下の3点には注意してください。

注意点①:賃貸の自宅を本店にする場合のリスク

「まずは自宅マンションを本店の住所にしよう」と考える方は多いですが、その物件が賃貸である場合、契約書に「住居専用」と書かれているケースがほとんどです。

無断で法人登記をしてしまうと、大家さんや管理会社との間で契約違反のトラブルになり、最悪の場合は退去を求められるリスクがあります。事前に商業登記が可能かどうか、必ず確認や相談を行ってください。

注意点②:許認可ビジネスを始める場合の「事業目的」

新しく立ち上げる会社で、建設業許可、古物商許可、不動産業(宅建業)、派遣業、飲食業などの「行政の許可・認可が必要なビジネス」を予定している場合、定款の事業目的に「その許可を受けるために必要な、正しい文言」が記載されていなければなりません。

文言が不適切だと、登記を完了させた後であっても、許可申請の段階で役所から「定款を修正(変更登記)してきてください」と言われてしまい、余計な手間と数万円の登録免許税(実費)が再度かかってしまいます。

注意点③:資本金「1円」設立の現実的なデメリット

会社法上は資本金1円でも会社を作ることができますが、現実のビジネスにおいて資本金1円の会社は、銀行で法人のビジネス口座(法人口座)を作ろうとした際、審査で落とされてしまうリスクが非常に高くなります。また、取引先や元請け企業から「本当に実態のある会社なのか?」と警戒されてしまう原因にもなるため、極端に低い資本金設定は避けるのが賢明です。

まとめ:松戸市での1人株式会社の設立手続きは、プロへお任せください

自分1人だけの株式会社を設立することは、これからのあなたのビジネスを大きく広げ、確かな未来を作るための素晴らしい第一歩です

しかし、ここまで解説してきたように、定款の作成や公証役場での認証、法務局への登記申請といった一連の手続きには、専門的な法律の知識と多くの書類準備が必要です。「自分でやってみようとしたけれど、平日に何度も役所や公証役場に行く時間がない」「事業目的の書き方がこれで合っているか不安」と、手続きの段階で貴重な時間とエネルギーを消費してしまう起業家様は非常に多くいらっしゃいます。

立ち上げ初期の最も大切な時期は、これからの集客や事業戦略といった「本業の準備」に100%の力を注ぐべきだと考えます。

松戸市を中心とした地域の起業家様が、一歩ずつ確実に前進できるよう、会社の基本ルール決めのアドバイスから、定款の作成、公証役場との事前調整、そして設立後に必要となる各種許認可(建設業許可や古物商許可など)の申請まで、親身になってトータルでサポートいたします。

(※登記申請手続き自体は、提携する司法書士と連携して迅速に対応いたします)

「1人で会社を作りたいけれど、何から始めたらいいか分からない」「将来的に建設業許可を取りたいので、目的に入れる文言を教えてほしい」という方は、まずは一度お気軽に「行政書士 浅田響樹 事務所」までご相談ください